ピロリ菌と除菌について
人間ドックについてのトリビアです。
最近、オプション検査でピロリ菌の検査を望む健保が多くなったそうだ。
ピロリ菌と胃がんの関係について、テレビ番組や新聞などで取り上げられるようになったためだろう。
NHKの番組で、胃がんになった人の99%がピロリ菌に感染していたということを言っていた。
その解説をしていた医師は、積極的に除菌をするように勧めていて、全国で除菌を行えば、将来は胃がん患者がいなくなるということも言っていた。
ピロリ菌の感染を確認する検査は、いろいろある。
検便による検査やヘリコバクターピロリ抗体を調べる血液検査、呼気テストなどだ。
実は検査によって精度に差があり、検便で陰性であっても、血液検査で陽性になることもある。
現在は、呼気による検査が最も精度が高いらしい。
数年前までは、ピロリ菌は日本人の40%~60%が感染していることもあり、特に悪者扱いはされていなかった。
逆に、薬で除菌をすることにより胃の粘膜を痛めてしまい、逆効果だという医師もいたようだ。
実際、胃酸が充満した地獄のような場所で生き延びてきたピロリ菌を除菌するのは大変だ。
除菌に使う薬は非常に強力で、副作用もある。除菌したことで胃が荒れて胃がんになるリスクを高めるという医者もいたらしい。
また、除菌に失敗することも多い。その時は別の薬を使って再度除菌を行う。
最悪の場合、ピロリ菌が薬剤への耐性を持ってしまい、除菌できなくなる。
個人的には、検査をして保菌者だからと、すぐ除菌というのはどうかと思っている。
ピロリ菌が胃がんを作るわけではい。
ピロリ菌は、長い間おとなしく胃に住み着いているが、あるときから活発に活動するようになり、胃潰瘍や胃炎を多発させる。
そのために胃粘膜が痛み、長期間その状態を放置すると、胃がんになりやすくなるというだけだ。
アンジェリーナ・ジョリーが、遺伝子検査によって乳がんになる可能性が高いのがわかり、発症もしてないのに乳房を切除したのと同じことのように感じてしまう。
医学的なことはよくわからないが、
除菌賛成派がマスコミに取り上げられて、世間的にひとつの論調ができあがってしまったのだろう。
医者も専門が違うと自分で判断できず、同調圧力に流されてしまっているように思う。
ただこれは個人的な感想であり、医学的見解でもなんでもないので、ご容赦願いたい。
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