HBs抗原・HBs抗体・HCV抗体と肝炎
肝機能障害と人間ドックに関するトリビアをひとつ。
肝臓の病気で、一般によく知られているのが、B型肝炎とC型肝炎だ。
たいていの人間ドックでは、B型肝炎とC型肝炎の検査をしている。
HBs抗原とHBs抗体がB型肝炎の検査で、HCV抗体がC型肝炎の検査である。
ただし、2年前の健保連の人間ドックではHCV抗体が標準検査項目ではなくなったので、検査しないところも多くなっている。
HCV抗体がなくなった理由は不明だが、薬害によるC型肝炎の問題が発覚したりして、HIV検査と同じ理由でプライバシーに配慮したためかもしれない。
血液感染がほとんどで、過去に輸血を受けたことがあるとか(現在は対策されている)、病院で殺菌していない注射針の使いまわしをした場合など稀なケースでしか感染しない。
母子感染や性行為で感染する可能性は低い。
一般の人は、他人の血液に触れる機会はほとんどない。
そういった心当たりがなければ、初めて人間ドックを受けるときに、オプションとして一回だけ検査すれば十分だともいえる。
そう考えると、毎年検査をする意味はない。
治療にはC型肝炎ウィルスを体内から完全排除するしかない。
インターフェロンや新薬の投与が有効らしいが、副作用が大きく、効果のない人もいる。
HBs抗原が陰性(-)であればB型肝炎ではないといえる。
しかし、HBs抗原が陰性(-)でもHBs”抗体”が陽性(+)の場合、最近どこかでB型肝炎キャリアと血液接触し自然治癒したと考えられる。
B型肝炎ワクチンを予防接収した場合も、HBs”抗体”は陽性(+)になる。
B型肝炎は母子感染がほとんどだが、C型肝炎と同じく過去の輸血や未殺菌の針刺し事故で感染した人も多い。残念なことに、性行為でも感染する。(^_^;;
成人になってからの感染であれば一過性のことがほとんどで、ほとんどが自然治癒する。
HBs抗原が陽性(+)ならば、かかりつけ医のところで定期的にB型肝炎の検査を行い、コントロールする必要がある。
基本的には薬剤を使わず、免疫力によりウィルスが自然に排除されるのを待つことになる。
慢性B型肝炎の場合は、完全治癒は期待できない。
慢性キャリアだとわかったら専門医にかかり、肝機能を維持しながら発症を抑えていくしかない。
厚生労働省も肝炎患者の経済的負担を軽減する補助制度を設けている。
B型肝炎にしてもC型肝炎にしても、キャリアであるとわかったら、専門医に定期的に通院することが必要だ。
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